Wednesday, November 19, 2003

management & business

「マネジメント=経営」と「ビジネス=業務」。最近、この関係について考えさせられることが数多い。今朝も起きてから数時間、某巨大企業ウェブサイト建て直し会議の準備のため、当該企業のサイトを片っ端から見ていくが、見れば見るほどビジョンが不透明で萎える。ビジョナリーカンパニーの場合はウェブサイトを少し見るだけでも端々から充分に経営が感じられるものだが、この企業は何も感じない。隅から隅まで徹底して業務レベル発想。

これを言い換えれば、立派で機能的だが巨大図書館のようなもの。館内は見事に整然としているが主体者存在が希薄という状態。だが館内から一歩外に出ると敷地内で数多くの露天が並び、それぞれが自由気ままにビジネスに没頭している。中には拡声器で館内にいる人を露天に呼び寄せる部署もある。そこでユーザーは思うわけだ。「俺は何しにココにいるんだっけ」と。「あの建物は何なんだっけ」と。

こういうサイトになっている企業は必ず業務が主軸で、経営側がスタックしている。逆に言えば業務レベル(現場)での視点では今のままで充分と認識されている場合が多い。そして、この企業の場合は確実にそうなのだろうと想定できる。

身勝手に定義すれば、ビジネスはマネジメントの余韻として存在しているべきなのだ。経営を受けて業務が動く。そうしてこそ多様なステークホルダーが動く。そして今日、そこには全体を律する頑固な経営が必要だ。これはエクセレントカンパニーからビジョナリーカンパニーへ、そしてミーハンの指摘を受けたコリンズがまとめた新たなビジョナリー指針が提示されて以来、意識シフトが全世界で始まっている。隣国の某企業などはその意識がサイト上に現われつつあるし、国内の某優良企業にもそれが滲み出ている。指針は明白なのだ。だがこの激しい競争社会では経営は指針を作りにくいのも事実だろう。さらに経営と業務の乖離は埋まらない原因に誤解の上に注ぎ込まれたここ数年の企業のIT投資の足かせもある。

この状態の改善は、ユーザビリティがどうだ、デザインがどうだ、プロモーションがどうだ、コンテンツがどうだ、コミュニティがどうだの次元では一切何も解決しない。しかし誰がそれを理解するだろう。さてさて。本腰入れるには相当の覚悟が必要ということまではわかった。今夜の会議で何を議論すべきかも見えた。スコープも明らか。情報が集まれば、やるべき施策のステップも見えることだろう。後は向こうがどこまで本気かどうか次第。どう踏み出すかは別にして数時間のこのリサーチは自分にとって意味ある時間となった気がする。

っていうか、もしこれを読んで、クソデザごときがなに言ってんだ。と思われるような専門家の方がおられたら、ぜひこのへんについてご教示いただきたいのでメールください(まじ)。僕は業務側から経営側を見て来ただけで、経営側から業務側を見る基礎は持ち合わせていないわけで、知りたいこと、確かめたいことがいっぱいあるんです。それを埋めてもらえるのは定例のオヤジ会だけなのですが、もっと広くディスカッションがしたいなぁと。

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