Thursday, November 06, 2003

Honda Element Purpose

HONDAアメリカで企画開発され、逆輸入で日本でも販売された「ELEMENT(国内のプロモーションをbAは手伝った)」の新しい広告。無数のレゴがCGだということを思わせない微細な映像から始まるが最後まで玩具っぽく続くあたり微妙。映像は「CQ」の監督、Roman Coppola。HONDAつながりで思い出すのは話題になった英国HONDAのピタゴラスィッチ版(謎)「Accord」の広告。600万ドルという巨額の制作費が注ぎ込まれたらしい(ホントかよ)という話を聞いたが、その金額を十分の一としても日本の代理店は気合が足りない感じがする。

別に広告は気合で作るものではない。だが多くの代理店が「広告代理店」を改め「広告会社」と自らの立ち位置を再定義してから随分と時間が経つが、本質は変わっていないと思うことは少なくない。その最たる例は、クライアントの宣伝部に新しい価値を「教えない」というスタンスがまだ生きていることだ。

具体名は出さないが某一部上場企業の宣伝部は四方八方から代理店に情報封鎖され年間数百億のメディアバイイングを躊躇無く選択させられていた。結果、クライアントの売上は横ばいから下降を描き、クライアントで人事異動が行われ、新たにコンペということになったが、代理店にとってこの事態は、ピンチではなくチャンスだという認識を持って受け止めていた。これを逆読みすれば、新しい価値をクライアントが求め始めると、単純に利益率が低下するという構造の上に今も代理店が立脚していることの現われとも言える。

しかし一方でメディアバイイングを中心とした利益構造では先が無いということを充分に理解し奮闘されている広告人を僕は数多く知っている。だが巨艦、それも全体としての巨大艦隊は簡単には舵を切れない利益複合体の中にいる。それは官僚、政治家、特殊法人と同一の図式であり、それをも含んだ想像を絶するシンジケートが存在している。それは注意深く日経新聞を読んでいるだけでも明滅することがある。

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